田舎暮らしへようこそ(1)

ライフスタイルの変化

コロナ禍の影響で、すっかりライフスタイルが変わった方、または、これをきっかけにライフスタイルを変えてみようとチャレンジされている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

緊急事態宣言が発令されていた時の東京の新橋などは、飲食店街がガラガラでびっくりしました。
行列ができるお店にお客がいない。
今まで、見たことがなく、まるで映画のワンシーンのようだだったと記憶しています。
今思えば、人の動き、動線が変わり始めていた頃でした。

飲食店は、不況に比較的強いと言われることが多く、過去のリーマンショックでも、
今回のような壊滅的な飲食店街という風景には、なりませんでした。

リモートワークがいざなうモノ

リモートワークで会社に行かなければ、会社の帰りに「一杯飲んでかえりますか」という流れになることないでしょう。むしろ、家族と最寄りの駅前にある飲食店に行こうか!といった感じでしょうか。しかも、20時閉店だから、ラストオーダーまでに入らなくてはという生活リズム。

こんな窮屈な都会暮らし、リモートワークなら、手放してもよいのでは!
子供たちは、オンライン授業で家にいる。お父さんもリモートで出勤しない日々。

ただ、子供部屋があっても、お父さんの部屋がないというケースありますよね。
もう少し、広い家に引っ越したい。少し、田舎でもいいんじゃないか?
あくまでも一例ですが、こんな感じで、都心部から田舎に目を向けるようになっていったケース多いようですね。

パソナグループと淡路島

そんなころ、人材系企業のパソナグループが淡路島に本社機能の一部が移転というニュースなど、「場所にとられない働きかた」がリアリティーを持ち始めます。

また、地方創生に係わる国からの補助金などで、移住者に一時金を支払う自治体もでてきたりと、ますます「自然のある田舎暮らし」と「場所にとらわれない働きかた」が都会に住む働き盛り世代や企業退職世代に、新しいライフスタイルを期待させた側面があります。ワクワクが止まらないことでしょう。

池田暮らしの七か条とは

そこにきて、最近「池田暮らしの七か条」が話題になっています。
そのなかでも、第四条に書いてある「都会風を吹かさないよう心掛けてください」が気になる人の感情を毛羽立たせているようです。

第4条 今までの自己価値観を押し付けないこと。また都会暮らしを地域に押し付けないよう心掛けてください。
●集落での生活は、ご近所などとの密な暮らしの日々があります。都市で
は見られなかったルールや仕組みもありますが、皆で折り合いを付け
ながら培ってきたものです。
●これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください。

https://www.town.ikeda.fukui.jp/pick/pickjukyo/p002780_d/fil/nanakajou.pdf

「都会風」の正体って

私も、過去に田舎暮らしを10年ほどしたことがありますが、「都会風」とはなかなかパンチが効いていると感じました。
ただ、そのあと「あなたは所詮「よそ者」なので」と直球では言えないという配慮の結果なのかなと思いました。言葉に配慮したのに、場外で炎上してしまったのでしょう。

地域性もあるかと思いますが、地元の人以外を「よそ者」ということは多く使われます。これは、地域社会の埋まらない溝という人もいますが、正直、「よそ者」は、その通りなのです。なので、移住したら、「よそ者」である自分たちの状況直視して、受け入れるしかないと思います。

田舎暮らしの家探し

ただ、住む場所を選ぶ前に、自分のアンテナ感度を信じて、きちんと調べることは必要です。自治体に問い合わせたり、移住祝い金がでる自治体を選んだり、場所を選ぶ基準は人それぞれです。私の場合は、地元の不動産業者に連絡を入れることから始めました。対応されたのは、社長でした。「今は物件がない」といわれました。そして次に、「問い合わせは多いし、「田舎に移住は本気です」っていう人が多いけど、物件出てきたら、検討しますって言って決まることは少ない」と言われ、あなたもそういう人と同類なのでしょ!という対応で電話は切れました。

私は、しばし目が点です。なんという洗礼なんだとびっくりしました。
実は、家が見つかるまで、約3年ほどかかりました。定期的な電話で、物件を探す意思を伝え続け、定期的に不動産業者を訪問し、同じことを伝えました。訪問時に、物件が出てこなくても、また来ますねといって帰る。このサイクルを定期的に繰り返す。このお付き合いで、最後まで物件が出てこなければ、その場所との縁がなかったとあきらめようと腹を決め、続けていました。旅行がてら住みたい場所にいくと、良いところに目が行きがちです。でも、飲食店でご飯を食べた後に、物件を探しているという話をすると、飲食店のオーナーが、移住者だったりするので、その地域の普段の姿を聞くことができます。

自治体のおもてなし経由の家探し

自治体に移住の問い合わせをして、物件を探す場合、最近は空き家バンク等、選択肢が増えている感じもしますが、田舎コミュニティの真ん中に住むようになることもあるので、情報収集は必要ですね。あと、自治体経由だと、田舎の人間関係が表面化されることは少ないです。むしろ、田舎暮らしを決めるまでは、お客様扱いです。
そこに気がつかないと住んでから自分が「よそ者」だと知ることになり、長く住むこと自体、悩みの種になることもあります。

もしかして・・・

よそ者の定着率が悪ければ、「よそ者は根性がない」と言われ、より肩身が狭いのでしょうが、もしこの池田町に「パソナグループ」のような企業が、300人以上の社員を移住させたら、この七か条は公にさらされることはあったのか、とても気になりました。